食品衛生責任者の資格を取得 受講必須の講習とテストの内容について

先日、「食品衛生責任者」の資格を取得しました。

食品を扱うお店には必ず配置する必要があるこの資格

開業に向けて準備を進める中で、「まずはこれを取らなくては」と思い、先日埼玉県で講習を受けてきました。

その講習内容、そして講習の最後に行われるテストの内容についてレポートしたいと思います。

目次

食品衛生責任者とは

食品衛生責任者とは、食品を扱う施設で衛生管理を適切に行う責任を持つ人のことです。

飲食店やテイクアウト販売など、「食品を扱う営業」を行う場合、原則として施設ごとに1人以上の配置が必要です。

難しそうなイメージがありますが、取得そのものは1日の講習で取れる資格

ただ、役割は実際にとても重要で

具体的には、

  • 食材の管理状態は適切か
  • 調理器具やシンクは清潔に保たれているか
  • 手洗いや消毒は徹底されているか
  • 営業許可の基準に適合しているか

など、お店の安心と信頼に直結する部分を守る役割です。

埼玉県での講習について

私が受講したのは埼玉県食品衛生協会が開催する講習会

講習会は約5時間半。受講費用は10,000円です。

この講習会、「eラーニング」といって、自宅で受講することも可能です。その場合、講習を自分のペースで受講することもできます。

現地に行く手間を省きたい方やまとまった時間のとれない方にはとっても便利な制度です。

私の場合は、eラーニングだと気が緩んであまり意味をなさなくなりそうなので、あえて対面での受講にすることにしました。

講習会の内容

想像以上に分かりやすく、「ここをちゃんと守れば、食べる人を守れるんだな」と納得できる内容でした。

大まかな内容はこんな感じです。

①食品衛生の基本

食中毒の種類、原因、予防法についての基本を学びます。

食中毒には5つの分類があり、原因や予防法もそれぞれ異なります。

  • 細菌性
  • ウイルス性
  • 寄生虫
  • 自然毒
  • 化学物質

夏の高温多湿に多いイメージのある食中毒ですが、ウイルス性ノロウイルスは冬に多く発生します。

ノロウイルスは、食品を介して人から人へ感染がひろがるので、予防には何といっても「手洗い」が重要です。

夏に多いサルモネラO157は食品の中で細菌が発生します。それを食べたことによる集団食中毒のニュースはよく耳にしますね。

熱で死滅するもの酸素に触れて死滅するものなど、細菌の種類によって予防法が異なるので注意が必要です。

食中毒の予防には三原則があります。

食中毒予防の三原則
  • つけない
  • 増やさない
  • やっつける

②施設と設備の衛生管理

食品を扱う施設、設備では、5S活動を実施し、食品への二次汚染や異物混入を予防します。

この項目では、床や排水溝などの個別設備の清掃方法なども具体的に学びます。

5Sとは?
  • 整理(必要なものと不要なものを区別し、不要なものは処分)
  • 整頓(必要なものは所定の場所にしまう。使いやすく、戻しやすいよう置く)
  • 清掃(ごみ、汚れがなく、いつでも使用できる状態にしておくこと)
  • 清潔(整理、整頓、清掃を徹底し、見えない微生物も拭き取り検査などでチェック)
  • 習慣(職場のルールとして、全員が理解して守ること)

③HACCPに沿った衛生管理

HACCPとは、Hazard Analysis Critical Control Pointの略称です。

食品製造・加工の全工程において、食中毒につながる原因を特定し、除去するための科学的根拠に基づいた衛生管理手法です。

食品を扱う営業者は、国際的な機関であるコーデックス委員会が定めた衛生管理手法に沿って衛生管理を実施しなければなりません。

簡単に言うと、各事業者が食品衛生管理の現場での「PDCAサイクル」をマニュアル化する、というもの

ただし、小規模営業者については、「菓子製造業」などの各業界団体が作成した手引書を参考にして衛生管理を行うことも認められています。

コーデックスのガイドラインや業界団体の作成した手引書は、厚生労働省のホームページで見ることができます。

内容としてはこんな感じで、なんとなく聞いたことのあることから、初めて聞くことまで幅広く習いますが、テキストに沿って講師の方が分かりやすく解説してくださいました。

しかし久しぶりに受けた長時間の講義、特に午後いちばんの講義は猛烈な眠気との戦いでした。

昼食を食べ、暖房の効いたぬくぬくとした環境、講師の声がお経のような心地よいリズムに聞こえてきて、ついついウトウト・・・

そんな時はすかさず協会の事務局の人が起こしに来ます😓

気になるテストは?

講習の最後に10分程度のテストがあります。

問題を解いたあと、自己採点し、テスト用紙は事務局に提出します。

「テスト」というよりは、理解度の確認という感じ。

何点であろうと、不合格になることはありません。要は講習会をちゃんと受ければ資格取得できるのです。

テストの内容も、講習を聞いていれば十分解けるレベルです。

例えば、次のような問題。問題は全て⭕️か❌かで答えます。

食中毒予防の三原則は「つけない」「増やさない」「やっつける」であるが、ノロウイルスの予防では、特に「増やさない」対策が重要である。

このような問題が10問出題されます。

ちなみに、上の問題の答えは❌です。ノロウイルスは「増える」ものではなく、人から人へ感染する性質があるので、ウイルスを「つけない」、手洗いにより「やっつける」対策が重要です。

まとめ

お店を持ち、食べてくれる人を守るためには、正しい知識を持ち、徹底した衛生管理を行うことが何より大切です。

しかし、これまでいくつかの飲食業の現場を見てきましたが、施設によって衛生管理がしっかりできているところ、緩いところと様々なように感じます。

今回の講習で食中毒が発生する原因や実際の事例を聞き、とても怖くなりました。

食品製造のお仕事に関わる今、今回の学びは日々の実践に落とし込んでいかないと、と痛感しました。

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